【序文】
『祭の正装』といえば「黒の股引・腹掛」に「白の鯉口シャツ」足元は「わらじ」か「坪下がり(草履)」それぞれに適した足袋を選びます。半纏帯は「正絹平ぐけ献上柄」が基本です。帯につける「腰下げ」は「実用性より飾りとしての装飾性」に重点を置く『祭好き』の方こだわりのアイテムです。祭の必須アイテム「鯉口シャツ」について「浅草三社祭」の着こなしを参考に『祭の正装におすすめする白の鯉口シャツ』をご紹介させていただきます。
※掲載画像は紺半纏(引染)と重ねて撮影しています。鯉口シャツ(透け感)の参考にお役立てください。
鯉口シャツ「白無地」と「柄物」の違いは?
祭衣装では「白の鯉口シャツが正装向き」「柄物の鯉口シャツはカジュアル」というのが一般的な考え方です。
※祭正装では「白の鯉口シャツ」に、カシミヤなどの光沢感のある素材の「股引・腹掛」をあわせ着用します。
粋に着こなしたい方向け鯉口シャツ【3選】
絆纒屋では綿100%の変わり生地でお洒落な鯉口シャツも各種ご用意しています。綿100%といっても糸の太さや織り方により、表情や着心地に違いがあります。ここでは、透け感があり役員の方などにおすすめの「3選」をご紹介いたします。
※掲載画像は紺半纏(引染)と重ねて撮影しています。鯉口シャツ(透け感)の参考にお役立てください。
金巾(かなきん)
絆纒屋の【金巾(かなきん)】は、「男性用シャツ」や「夏物の女性用ブラウス」などに利用される「きめが細かい薄手の平織生地」で仕立てた鯉口シャツです。
粋でお洒落な【白無地鯉口シャツ|金巾】は、しなやかな生地感となめらかな肌触りで着心地が良いとご好評いただいております。
金巾の語源は、ポルトガル語の「カネキンcanequim」です。そもそもの意味は、16世紀にポルトガル船により伝来した「インド産の木綿(もめん)織物(おりもの)」全般を差していたようです。現代では、細めの綿単糸(めんたんし)で緻密(ちみつ)に織った薄手の平織り生地の総称として使われることが多いようです。
綿絽(めんろ)
綿絽(めんろ)とは絽目(ろめ)という「レースのような絽特有の穴がある生地」です。
浴衣などでよく使用され、涼しげな表情・清涼感・通気性がよく夏の定番素材です。
絆纒屋では綿絽の鯉口シャツを《白》と《黒》のに配色をご用意しております。
和服(着物)では「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」を薄物(うすもの)、夏物(なつもの)などといいます。着用時期は真夏の7~8月を中心に通常6月から9月ごろまでとされています。
祭装束では「毎年5月の第三週に開催される浅草三社祭」をはじめ、着物よりも早い時期から着用されることが多い「粋な夏の素材」です。
パナマ織
パナマ織とは、太い糸であら目に織った平織り生地です。
太い糸を使用しているため表面に凹凸があり、通気性がよく、肌触りが良いのが特徴です。
着心地が良い!と人気の高い鯉口シャツです。
金巾や綿絽ほどではございませんが、ざっくりした生地のため多少肌が透けます。
股引・腹掛と組み合わせてお祭りの正装用としてもご使用いただける鯉口シャツです。
担ぎにも使える白の鯉口シャツ【3選】
生地が丈夫なので『神輿を担ぐとき』や『山車を曳くとき』の正装としてもご着用いただける綿100%の鯉口シャツをご紹介いたします。半股引(はんだこ)や締込(しめこみ)、藍染の股引・腹掛などにあわせるには、こちらがおすすめです。
和晒(わざらし)
効率性や生産性を重視する西洋晒(せいようさらし)自動精錬(じどうせいれん)という設備で、漂白剤や柔軟剤などを添加しながら処理し生地が主流の昨今ですが、それに対し【和晒】は、じっくりと時間をかけ天然綿花の脂質や不純物などを精錬(せいれん)した「日本の昔ながらの技法で晒した希少な綿生地」です。
織あがった綿生地は、生成(きなり)といい淡い茶色をしています。
晒(さらし)とは、綿にもともと含まれる成分や製造過程で付着した糊(のり)などの不純物を取り除くことです。
晒の工程を経て生地は白くなります。
多くの白生地が生産性を重視した「洋晒」でおこなっているのに対し
和晒は日本の昔ながらの技法でじっくりと時間をかけて晒しています。
天竺(てんじく)
天竺は金巾とともに日本で広く使われている綿織物(めんおりもの)です。
金巾よりも太い糸で織っているため生地が丈夫で実用的な生地です。
江戸一|晒肩当付(さらしかたあてつき)
豊富なサイズ展開で人気の東京江戸一の鯉口シャツです。
大人用・女性用・子ども用に加え、くり衿シャツ(半袖)や晒裏付などもご用意しております。
※2024年度より江戸一晒裏付シャツは販売終了(在庫限り)となりました。
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