祭コートの定番【被布半纏|ひふばんてん】

祭用品基礎知識|被布半纏-ひふばんてん
【序文】

お祭り用のコートにも「道行(みちゆき)タイプ」「角袖(かくそで)タイプ」などありますが、最もポピュラーで定番なのが「被布(ひふ)タイプ」の半纏コート【被布半纏|ひふばんてん】です。

このページでは、寒さから身を守る半纏コート(お祭り用コート)の筆頭【被布半纏|被布コート】についてお話しさせていただきます。

目次

被布半纏と被布コートの違い

最近は「お祭り衣装のカタログ」や「祭用品専門の通販サイト」などで「被布半纏|ひふばんてん」のことを「被布コート」などの名称で販売していることが多いようにお見受けいたします。
間違えではありませんが、絆纒屋では「本来の被布コート」と混乱を避けるためにも、祭用コートは「被布半纏」と表示し販売しております。

【本来の被布(ひふ)コートとは?】

一般的に和服や和装・呉服(ごふく)業界で「被布コート」といえば、着物の上から羽織る(はおる)上着(うわぎ)の一種で、茶人や俳人が着用したベストや袖のない半天(ちゃんちゃんこ)の様な形状のものを「被布(ひふ)」または「被布コート」といいます。三歳の七五三で着用するお祝い着も「被布」です。

【祭用品|被布半纏(被布コート)とは?】

絆纒屋


下記画像のような商品を「被布コート」と掲載または販売しているショップ様が多いと思いますが、絆纒屋では正式名称の「被布半纏」と表記しております。

被布半纏1
被布半纏「綿紬|柿茶」

祭用品店で取り扱う被布半纏は、粋で颯爽(さっそう)としたイメージの祭用コートです。

【被布半纏|名称の由来は?】

絆纒屋

被布半纏の名称の由来については諸説ありますが、絆纒屋では「印半纏として染めた生地を利用したり、古くなった半纏を冬用のコートにリメイクしたから被布半纏」といった内容のご説明をさせていただいております。

被布半纏|特徴

■衿(表側)は、ベルベット(ベロア)※別珍(べっちん)のような起毛素材です。
(ご要望によりオーダーメイドで身頃と同じ生地の衿でお仕立てすることもございます。)

■衿元の留金具(とめかなぐ)※外気の侵入を予防する効果があります。

被布半纏2
被布半纏「刺子|ベージュ」

■比翼仕立て(ひよくじたて)の前立て(まえたて)
※比翼仕立てとは、コートなどの前立てを二重にし前ボタンが隠れるように仕立てることで、すっきりとした印象を与えます。
※前立てとは、シャツやコートの前側のボタンを留める箇所にある帯状のパーツです。

絆纒屋

被布半纏の場合、仕立屋さんは「前立て」といいますが、オーダーメイドでは「衿文字(お名前)をお入れする部分」なので「藍染や引染などの染工場さんや型紙屋さん」は「衿(えり)」と呼んでいます。

■ダブル仕立ての前立て
※ボタンの数は右手側に5個、左手側に2個です。

被布半纏3
被布半纏「綿紬|青」

■裏地付のお仕立て
※ボディ本体(身頃+袖)は、寒さを緩和するために手間のかかる「裏地を付けたお仕立て」です。
※印半纏または祭半纏にポケットはありませんが、被布半纏には便利な「脇ポケット(2箇所)と内ポケット(1箇所)」がございます。裏付仕立てならではの仕様です。

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