オーダーメイド【本染め半纏】制作事例のご紹介|其の1

アイキャッチ|オーダーメイド本染め半纏1
【序文】

お客様のご厚意により、オーダーメイド「本染め半纏」の制作事例をご紹介させていただきます。生地は丸坊(まるぼう)、染色技法は引染(ひきぞめ)、グレーの地色で大紋と衿文字は黒差し、衿頭には特色を差した洒落た半纏です。

引染半纏の注文方法(オーダーの流れ)も掲載しております。

印半纏・祭半纏にご興味のある方や祭同好会・神輿會・囃子連などでオリジナル半纏の製作を予定していらっしゃる方々の参考になれば幸いです。

目次

本染め半纏とは?

藍染染工場の風景1
【画像1】藍染染工場の風景です

本染め半纏といえば藍染|あいぞめ引染|ひきぞめがあげられます。どちらも古来からの技法を受け継いだ手染めの染色方法です。

藍染は文字通り「藍」を使った、昔から江戸庶民に愛された日本を代表する染色技法です。

藍染染工場の風景1
【画像2】伸子(しんし)で張った藍染の反物です

藍染半纏には、商家や職人が着用した「衿文字と大紋を染めた紺半纏」や「紺半纏に腰柄をくわえた腰柄付の半纏」をはじめ、梯子(はしご)乗り方が好むような「遠くからでも判別ができる大柄で大胆な絵羽柄(えばがら)の半纏」や、遠目では無地ですが近づくと半纏全体に細かい紋様(小紋柄)を染めた「総柄半纏」がございます。

藍染半纏|二の字(大)
【画像3】絵羽柄「藍染半纏」二の字(大)
藍染半纏|薩摩筋
【画像4】小紋・総柄「藍染半纏」薩摩筋(さつますじ)

藍染は染料の性質上「藍色=紺色」のみに特化しているのに対し

引染(ひきぞめ)は「カラスと呼ばれる黒半纏」や「緑色の半纏」「柿茶色」「浅葱色(あさぎいろ)」など、お好みの色で半纏を染めるのが特徴です。ご紹介させていただく半纏も引染で製作させていただきました。

栄神會大紋2
【画像5】
栄神會衿1
【画像6】

引染(ひきぞめ)とは?

布地を伸子(しんし)で張り広げ、染料を刷毛(はけ)で引いて染めるため引染と呼ばれる伝統的な手染めの染色技法です。
※伸子(しんし)=竹ひごの両端に針をつけた用具です。【画像2】をご参照ください。

引染半纏見本1
【画像7】

※参考として【画像7】に絆纒屋が別注で染めた既製品の引染半纏を掲載いたしました。

絆纒屋

大紋に特別な色を差した半纏は、お囃子や衣装などにもおすすめです。
洒落た色使いの半纏をご所望(しょもう)の際は、お気軽にご相談ください。

オリジナル【引染半纏】注文方法・オーダーの流れ

STEP
半纏に入れる文字や紋(マーク)を決める

背中(大紋)は団体名・會名の一部・地名・紋やマークなどを入れるのが多く、衿文字は団体名・役職・屋号や個人名などを染めるのが一般的です。

半纏にいれる書体は「江戸文字(籠字)」をはじめ「角文字」や「牡丹文字」などが代表的です。ご希望の書体でオリジナルの「衿字や大紋」などを製作いたします。
※社名など特別なロゴをお持ちいただき半纏を染めることもお受けしております。

その他、ご要望に応じて対応いたしますのでご相談ください。

STEP
生地を選ぶ

半纏に使われる平織生地の丸紡(まるぼう)と、凹凸(おうとつ)のある綿紬(めんつむぎ)が一般的です。

丸防・綿紬といった定番以外に『綿呂(めんろ)や紅梅(こうばい)、麻混などの透け感のある夏素材』や『刺子(さしこ)』などのご用意もございます。用途に応じてお選びください。

STEP
色を選ぶ

引染は色数の豊富さが特徴の「色半纏」に特化した染色技法です。実店舗ではご希望の色をお選び頂けるよう、これまでに染めてきた「色見本」や「生地見本」を多数ご用意しております。

また「手ぬぐい」「印刷物」などをお持ちいただければ染料を配合しオリジナルカラー(サンプル染め)の製作もおこなっております。

【画像7】のように大紋や衿文字に特色を差すことも可能です。

STEP
サイズを決める

引染半纏は、細かなサイズのオーダーもお受けいたします。

女性から大柄な男性まで様々な体格の方にあうよう身幅(みはば)は「S~3Lまでの5サイズ」を展開しており、身丈は二尺六寸(約1m)まで基本料金内で対応可能です。
※背の高い方は割増料金になりますが110cmや120cmなど長尺半纏も製作いたします。

その他、基本サイズであわない体格の方など「特別な寸法」にも対応いたします。お気軽にご相談ください。

栄神會

大紋(だいもん)

生地は担ぎ半纏に使われる丸紡(まるぼう)、グレーの地色をお選びいただきました。
大紋の型紙は江戸文字の「栄神」を影で彫り、栄えように「黒」を差しました。

栄神會大紋1
【画像8】
絆纒屋

影(かげ)とは文字の周りにフチをつける型紙の彫り方で、文字を共色または色差(いろさし)で染めたい場合は影で彫ります。それに対し文字を白で染めたい場合の彫り方を日向(ひなた)といいます。

衿文字(えりもじ)

衿(えり)は身頃と同色の共衿(ともえり)に「紋+栄神睦」を染めたデザインです。

衿頭(えりがしら)の「紋」は役職により色分けし、衿文字(會名の栄神睦)は黒で統一とのご指示でしたので「紋と會名」どちらも影で型紙を彫りました。

衿|栄神會朱赤
【画像9】
絆纒屋

会長半纏は衿頭に朱赤を差しています。

衿|栄神會藤色2
【画像10】
衿|栄神會黒
【画像11】
絆纒屋スタッフ

グレーに朱赤や藤色、黒など様々なお色使いでお洒落な半纏ですね。

栄神睦さま
この度は半纏のご注文およびご掲載の許可を頂き誠にありがとうございました。
心より感謝申し上げます。

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コメント

コメント一覧 (5件)

  • 半纏を注文したいのですが、栄神睦様の画像のようにお願いできますか?
    背中大紋(曽根)
    衿文字(家紋丸に上がり藤×曽根睦)
    色は栄神睦様と同じ、また書体も同じです。
    私、身長175センチで普通体型ですのでサイズはLで大丈夫でしょうか?

    • 曽根哲也 様
      お問合せいただき誠にありがとうございます。
      心より感謝申し上げます。
      オーダーメイド引染半纏は、一枚からお受けいたします。
      ぜひご検討ください。

      追伸
      ※栄神睦様のように・・・? 地色や書体(江戸文字)は絆纒屋のサンプルをもとにしておりますので、製作可能です。
      ただ、衿頭の藤色は、栄神睦様と相談しながら創った配色ですので、勝手に使うことは出来かねます。
      ご相談させていただければ幸いです。
      ※身長175cmで普通体型・・・・・多分Lサイズいいと思います。
      身長の他、体重・胸囲・ウエストなど具体的なサイズを教えていただければ幸いです。

  • 初めまして、私は、東京小金井市に在住致します「鈴木」と申します。
    今回のご相談ですが、私が関わっている神社で「総代」12名の半纏を制作したくご連絡を致す次第です。 私ども神社では年間12回の行事を行っておりますが全て「総代.半纏」を着用して行事を行っております。しかし現在使用している半纏が夏場は暑く使用しにくい状況です。
    そこで「初夏~初秋」に着用出来る半纏を検討しております。
    希望では、おとなしいく品のある半纏を検討しております、御提案いただければ幸いです。

  • 企業の歴史展示で印半纏の作成が必要になりました。
    繁忙期という事は承知しておりますが最短で1~2枚のお願いしたときの
    納期をお知らせ頂けますでしょうか。

    • 株)堀内カラー 尾関様

      お問合せいただき誠にありがとうございます。
      浅草絆纒屋の小島です。

      コメント:
      企業の歴史展示で印半纏の作成が必要になりました。
      繁忙期という事は承知しておりますが最短で1~2枚のお願いしたときの
      納期をお知らせ頂けますでしょうか。

      具体手なデザインや染め方などがわからないで正確にはお答えしにくいのですが、藍染や引染など手染めの場合「型紙〉染め〉仕立て」といった手順で制作いたします。
      新型コロナの影響による生産力の低下のため現在は1年ぐらいお時間をいただいていております。
      ご理解ください。
      何卒宜しくお願い申し上げます。

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